こんなふうに感じたことは、ありませんか?

- アプリで出会ったことに、どこか引け目がある
- 「馴れ初めは?」と聞かれると、少し言葉に詰まる
- 「アプリ婚は離婚しやすい」という噂を聞いて、不安になった
- 親に「ネットで出会った人」と、どう説明しようか迷っている
こうした気持ちを打ち明けてくださる方は、実は少なくありません。アプリで真剣に活動してきた方ほど、「ちゃんとした出会いじゃないと思われたらどうしよう」と、自分の出会いを小さく見積もってしまう傾向があるように感じます。
でも、その引け目は本当に根拠のあるものなのでしょうか。感覚や噂ではなく、データで確かめてみる価値があると思うのです。
ご紹介する2つの研究について
1つ目は、シカゴ大学のジョン・カシオポ博士らが2013年にPNASで発表した研究です(Cacioppo et al., 2013)。2005年から2012年のあいだに結婚したアメリカの既婚者 約19,000人 を対象に、「どこで出会ったか」と「結婚満足度」「離婚・別居の有無」の関係を調べました。オンライン(マッチングサイト等)で出会った人と、オフライン(職場・友人の紹介・学校など)で出会った人を、これだけの規模で比べた研究は当時としては画期的でした。
2つ目は、スタンフォード大学のマイケル・ローゼンフェルド博士らが2019年に発表した研究です(Rosenfeld et al., 2019)。こちらは「アメリカ人はどうやって出会っているか」の変化を長期的に追ったもので、オンラインでの出会いが友人の紹介を追い抜き、出会いの手段の第1位 になったことを示しました。
どちらも、恋愛や結婚を扱う研究の中ではよく引用される代表的な論文です。
研究が明らかにしたこと|ポイントは3つ
① オンラインで出会った夫婦は、離婚・別居がやや少なかった
カシオポ博士らの調査では、調査期間中に離婚・別居に至った割合は、オンラインで出会った夫婦で約6%、オフラインで出会った夫婦で約8%でした。わずかですが、オンラインで出会った夫婦のほうが、別れが少なかったのです。
「アプリで出会うと長続きしない」というイメージとは、逆の結果でした。
② 結婚満足度も、わずかに高かった。ただし差は小さい
結婚満足度も、7点満点でオンライン発が約5.6、オフライン発が約5.5と、オンラインのほうがわずかに高い結果でした。
ここで大切なのは、この差が とても小さい ということです。研究者たち自身も「オンラインが優れている」と結論づけているわけではありません。正確に言えば、「オンラインで出会った結婚は、少なくとも劣ってはいない」。これがこの研究の一番誠実な読み方だと思います。
③ オンラインでの出会いは、もう「特別」ではなくなった
ローゼンフェルド博士らの研究では、2017年時点でアメリカの異性カップルの約4割がオンラインで出会っており、友人の紹介・職場・学校といった昔ながらの出会い方を上回っていました。
日本でも同じ流れがあります。こども家庭庁の2024年の調査では、直近5年間に結婚した夫婦の出会いのきっかけの第1位はマッチングアプリで、約25%を占めました。オンラインの出会いは、もう例外でも近道でもなく、ごく普通の選択肢の一つになっています。
これは、私たちの婚活にどう関係するのでしょうか

まず一つ言えるのは、「アプリで出会ったから」という引け目は、データの上では根拠が薄いということです。国内でも、2020年に行われた民間の調査で、アプリで出会って結婚した夫婦の離婚率は約4.5%と、同時期の全体の離婚率(約6.6%)より低かったという報告があります。
では、なぜオンライン発の結婚が「劣らない」のか。研究では断定されていませんが、出会う前にお互いの結婚観や条件をある程度知ったうえで会えること、最初から結婚への真剣度が近い人同士が出会いやすいことなどが、理由として考えられています。
そしてここからが、私が一番お伝えしたいことです。オンラインとオフラインの差は、いずれにしてもわずかでした。つまり、結婚の行方を大きく左右するのは、出会いの場所ではなく、出会ったあとにふたりが関係をどう育てるかだということです。
以前ご紹介した会話の量と結婚満足度の研究や、結婚と幸福度の研究でも、行き着いた答えは同じでした。出会い方はスタート地点の違いにすぎず、その後の関係の質を決めるのは、日々の対話と関わり方なのだと思います。
現場のカウンセラーとして感じること
アンフィには、マッチングアプリでの活動を経て来てくださる方が多くいらっしゃいます。よく聞くのは、「アプリも使ってたんですけど、なかなかいい出会いがなくて」という声です(複数の方の声を、プライバシーに配慮して一般化しています)。
私は、アプリでの出会いを否定する気持ちはまったくありません。実際、データが示すとおり、アプリで出会って幸せな結婚をされている方は大勢います。アプリに疲れたときの選択肢の記事でも書いたように、大切なのはどの手段が優れているかではなく、いまのあなたに合った進め方を選べているかだと思うのです。
相談所の役割は、出会いの場を変えることそのものよりも、出会ったあとのプロセスに第三者が伴走することにあります。お相手とのやり取りに迷ったとき、交際を続けるか悩んだとき、一人で抱え込まずに相談できる。その積み重ねが、「出会ったあとの育て方」を支えていく。私たちはそんなふうに考えています。
研究の限界について、補足しておきたいこと
論文紹介シリーズでは毎回お伝えしていますが、この研究にも限界があります。
- アメリカのデータ であり、結婚観や離婚のハードルが異なる日本にそのまま当てはまるとは限りません
- 満足度は 自己申告 で、回答時の気分などの影響を受けます
- 調査対象は2005〜2012年に結婚した夫婦で、アプリ環境が現在とは異なります
- 出会いの場と結婚の質のあいだにあるのは相関であって、因果関係は証明されていません
ですから、「アプリで出会えばうまくいく」と読むのは行き過ぎです。ただ、「アプリ婚は長続きしない」という思い込みを手放すには、十分なデータだと私は思います。
まとめ|出会い方は、あなたの価値を決めません

ここまでの内容をまとめます。
- 約19,000人の研究では、オンラインで出会った夫婦は離婚・別居がやや少なく、満足度もわずかに高かった(ただし差は小さい)
- オンラインの出会いは日米ともに主要な出会い方になっており、もう特別なものではない
- 結婚の行方を左右するのは出会いの場所ではなく、出会ったあとの関係の育て方
アプリで出会ったことに引け目を感じる必要は、データの上でもありません。そして、どんな出会い方を選んだとしても、その先の進め方に迷ったときは、一人で抱え込まなくて大丈夫です。
アンフィの無料相談では、いまの活動を続けるべきか、進め方を変えるべきかも含めて、あなたのペースで一緒に考えます。無理な勧誘はしませんので、「話を聞いてみるだけ」でも大丈夫です。
LINEでも、気軽にご相談いただけます。
あなたの出会いが、どこで始まったものであっても。そこから育てていく時間を、私たちは応援しています。
